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心の拠り所

 

 

 今から26年前、イタリアはミラノに単身で渡った自分。今でこそ当たり前の様にイタリアのブランドやら食材などが日本中に溢れていますが、僕が到着してから数ヶ月後のポパイの特集がようやくイタカジ(イタリアン・カジュアル)だったかイタリアを特集をし始めた頃で友達が嬉しそうにその事を手紙で教えてくれたのを覚えていますが、実際現地でもあまり日本の事は知られていなかった頃。

 当然向こうからすれば「何でイタリア(に来たの)?」的なところがあったのも確かですが、そんな中何よりも心強かったのは街中の電気店の一番良いところにディスプレイされていたSONY製品の数々。今でこそ近隣諸国のブランドに淘汰されてしまっていますが、当時は性能、デザイン、もちろん価格(高額商品という意味)においてNo.1。実際SONY製品を持つという事はある意味ステイタスでしたし、ミラネーゼたちが羨望の眼差しで眺めていたのを見て、日本人として誇らしかった事を今でも覚えています。同じように、当時ショー会場や街中で屋敷豪太さんが刻むSOUL II SOULSIMPLY REDのビートが流れ、人々が盛り上がっているのを見るたびに「どうだ!スゴいだろ!」なんて誇らしさと共に、どこかに心の拠り所のようなものを感じていたのを鮮明に覚えています。

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 そういう意味では当時のネットも携帯もない時代において、1年に一度帰国した際の笑点サザエさん笑っていいとも!の3点セットというのは、どれもマンネリ化などを囁かれたりもしていましたが、目まぐるしく変わる流行だったり浦島太郎的になりがちだった自分にとっての「デフォルト」的な存在で、長期の海外生活で失いかけて戻って来た(日本人が日本人として日本国内で生活する上での)アイデンティティを取り戻せるような、ある種の心の拠り所だったのかもしれません。

 そんな「笑っていいとも!」はこの3月での番組終了が決定しています。僕が中1になった時に始まった当時のテレフォンショッキングに呼ばれるという夢は叶いませんでしたが(ちなみに笑点では収録の際にオープニングで歌丸さんの隣に座って映り込むという夢は既に叶えてあります)、まぁタモリ倶楽部も残っているのでその点はいいとして、ここ数年囁かれていた番組終了が遂に...っていう感覚だったのとは対照的に、急に昨晩が最後の出演になってしまった波平さんの声でお馴染みの永井一郎さん最後の出演。もちろん録画までして見た事は言うまでもありませんが、調べてみると最初から最後まで同じ声優さんっていうのは主要キャストで言うとサザエ、タラちゃん、船、そして波平しかいないんですねぇ... あの声が聞けなくなるのは寂しい気もしますが、何かこう確かに進化しながらも守って行くべきところ、その反対に変えてはいけない普遍的な何かがある気もしました。まるで今の日本の社会の様に。

 そして時を同じくして行われた東京ソチ時選挙。思う所は人それぞれでしょうが、次の都知事選まであと4年。少なくとも今16歳の子供たちには選挙に行く大切さ、一票を投じる重みというものをしっかりと教育して欲しいものです。どうせ何も変わらないのと、端から変えようとしないのは全く別物なのですから。どんなに立派な劇場でも、お客さんが来てくれなければ潰れてしまいます。

 最後になりますが、永井さんのご冥福を心よりお祈り致します。物心ついてから40年以上、本当にありがとうございました。あなたの声には、僕の家族との思い出が沢山たくさん詰まっています。

 

 

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